アイドルは儚いものなので

ご多忙ごきげんOL

担当が事務所を辞めるので絶望して16年間続けたヲタクを辞めて、行き場のなくなった愛情を初めての「自分から好きだと思える恋人」に注いだら見事に浮気相手にされていてマジクソ踏んだり蹴ったりだった平成最後の3ヶ月の感想

いやぁ、近頃の私は怒涛だった。まだ今も渦中にいるのだけど、とりあえず一旦落ち着くためにも過去形にして文字に起こしている。この数ヶ月、今までの人生で何度チャンスがあろうとも頑なに採らなかった行動や選択を積極的に選んで動いてきた。結論から言ってしまえば「慣れないことはするもんじゃない」を痛みを伴って身を以て学習する機会だった。

10歳から16年間、ジャニーズとともに生きてきた。どの年にもジャニヲタとしての思い出があり、自分年表のほとんどはジャニヲタ年表に枠を取られていた。自担が好きで大好きでたまらないような恋でもあったし、こんな大人になりたいこんな考え方ができる人になりたいと憧れでもあったし、夢への道を諦めない姿に強く共感もしたし、生き方や言動に学びを得るほどの尊敬もあった。人格や自我や価値観を形成していく年頃を、ずっとジャニーズの影響を強く受けて過ごしてきた私にとって、それはもはやひとつのアイデンティティーのようでもあった。そんな私の心の一角のようなジャニーズが、私の愛する自担を追い詰めてしまった。芸能界のブラックボックスだと思ってしまうようなところで何かが起きていて、ファンは何が起きたのか確かな事実を知ることはできなかったけれど、“円満退所”に至るまでに自担が悔しい、理不尽な思いをさせられたであろうことが想像できた。アイデンティティーとさえ思ったジャニーズと世界一敬愛する自担の、どちらの味方だと宣言することもできず、むしろできないことが苦しくて、私はその土俵から降りる選択をした。ジャニヲタ人生16年、何度も悲しくなったり裏切られたように感じたり、時に達成感に浸ったり、もう私には必要がないと思う時期すらあったけれど、結局一度も手に取らなかった「ヲタ卒」という道を、とうとう選んだ。そこに踏ん切りや強い決意などなく、自然に、苦しみから自由になるために、他に選択肢などない一本道のように、16年目にして初めてヲタ卒を選んだ。

ジャニーズしかない人間からジャニーズを引くと、仕事も友達もお金も時間も残るけれど、「好き!!」と思うことがなくなる。失ってから痛感した、「好き!!」「ときめく!!」「会いたい!!」「愛してる!!」「大好き!!」って感情って、多分全ての中で一番ポジティブでパワフルでエネルギッシュで、良く生きることに直結している。今まで16年間ずっとジャニーズがあったから、先に挙げた衝動的な感情はジャニーズに向ければ良いので、現実ではとてもシビアで冷静な視点で恋愛ができていた。もっと言うと恋愛なんてしたことがなかった(すごい陳腐な表現で恥ずかしい、思春期かよ)。共学の高校・大学にと進学して、男女比同じくらいのそこそこ大きいサークルにも入って楽しんで、バイト先でも充実した人間関係、人並みより少し多いくらいの交際人数を重ねたし、キャバクラでの仕事のおかげで出会いの数だけなら同世代の何十倍だったはず。でも“好きな人”がいたのって中学生が最後だった。そういう人、きっと多いと思う。そんな私が中学生ぶりに思ってしまった。「好き」「ときめく」「会いたい」「大好き」。何がそうさせたのか分からないが、とにかくその感情だけで衝動的に決めてしまった。今までの人生ちょうどいい適当な人と安全万策な受身の、恋愛とも言えないような男性関係しか選んでこなかった私が、“どう考えても絶対に危ない男”に、私の10年ぶりの「好き」を全部差し出すことに決めてしまったのだ。その結果私は今、毎日彼への怒りと悲しみで震えながら、「でも好き」なんて馬鹿げた泣き言で堂々巡りを繰り返している。

 


ジャニーズを好きなまま、こんな人を選ばない、今まで通りの私でいればよかった、と思う。

彼の「君と付き合いたいから彼女と別れてきた」は嘘だったし、友人にお金を借りて督促されてもなお返済しないし、コンドームが嫌いで絶対につけない。私とは常に割り勘だけど彼女にはプレゼントを買っている。SixTONESはメジャーになって、Snow Manを個人活動で見かけて、なにわ男子がドラマに出ていた。チャンネルを変えたり席を立つ様子を家族に気遣われたり、駅中に貼られた広告を見ないために俯いて階段を降りたり、「キンプリの永瀬廉くん」とかフルネームで呼んでみたりして日々を過ごしている。

 


16年間の私の全力の「好き」が一方通行で、届いてる気になってそれだけで満足できていたことを知った。幸せなやつだなあ、過去の私。平成生まれ平成育ち、その人生のずっとを「好き!!」「ときめく!!」「会いたい!!」「大好き!!」だけで乗り越えてこられた。それってすごくラッキーだったと思う。幸せだったと思う。けど、今のこの、色んな意味でイタい私も、人生の中で必要かもしれないってちょっとだけ思う。これまで選んでこなかった分を畳み掛けるように選んでいる今の私。自分らしくない未知のことばかりで、なにが正しいのかも全く分からない中で、分からないよ、でもこうしたいああしたい、って、主体的に能動的に選んでいるような気がする。新しいことをしたり過去の惰性から離れる動きはとても痛みを伴うことだ。という発見があった。出来れば痛くない道が良かったなあ。

最近ほんとうにドン底のような気分だったけど、この記事を書いていたら少し前向きになってきた。記事書いたくらいじゃこれっぽっちも解決しないけど、なーんだやりたいことやってるやんけ私、とは思えてきたんだよ。とりあえず今から彼氏に返信をして、LINEの通知をオフにして今日こそぐっすり寝よう。迷うだろうけどできるだけ迷わずに、苦しいだろうけどできるだけ明るく楽しく、積極的に選んでいきたい。そういう気分で始めるよ。よろしく令和。

#ジャニヲタとコスメ

やりたいと思いつつ見送り続けてきた「#ジャニヲタとコスメ 」。とうとう重い腰を上げる時が来たようだ。このテーマがやりたいのに見送ってきた理由のひとつに、いつだってポーチの中身は『暫定』であり『ベスト』ではない、ということがあった。なんでだろう。人生においてそんなに向上心がある方じゃないし、わりと現状に満足することで幸福度高く生きるタイプなんだけど、ことポーチの中身に関してだけはいつ査定をかけても「いやぁ、今の段階をベストと呼ぶにはまだまだ未完成すぎる・・・」「もっと自分の理想のメンバーが揃ったときに満を持したいんで今回は見送りの方向で」「今もいいけど来月になったらもっといいと思うからもうちょい待って!」という向上心溢れる理由でお断りになってしまうわけだ。うーん、なんだこれ。でも女性ならこの気持ちみんな分かってくれそう。コスメに関して、理想と現実のギャップってみんなあるよね。でもこのままじゃ結局いつまでたっても開催できないので、暫定版だろうが理想に届かなかろうが適当だろうがとにかく一回やっておきます、私の#ジャニヲタとコスメ!!

 

  • ベースメイク

細かく分別して写真を撮る手間を惜しんでしまいました、横着王。というわけで肌に塗るものたちという括りです。

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一番上:UVアンダーベース ムースCC ベージュ(シュウウエムラ)・・・顔色を整えてくれる。ただムースの出量の調節が難しすぎる。0.7プッシュくらいでいい。あと肌の凹凸は消えない。ずっと2軍だったけど使い切りたいので今は1軍に上げてる。

二番目:ミネラルベースBB(インテグレート)・・・下地としてはまぁ普通だけど、カバー力があるので人に会う予定のない日や前日に化粧したまま寝ちゃった翌日、ジムに向かうときなどにこれ一本で済む大信頼BBクリーム。ノーファンデでよい。肌への負担は抑えつつ外出できる肌にしてくれる。何度もリピートしてます。

左下:ディオールスキン フォーエバーコンパクト エクストレムコントロール(Dior)・・・パウダーのわりに崩れが少なくてすごい。むしろ時間が経って馴染んできたときの肌が綺麗に見える。パサパサした感じもなく、きちんと肌と密着してくれて安心。かなり薄づき。パウダーファンデはブラシ派。

右下:ダブルウェア ステイ イン プレイス メークアップ(エスティーローダー)・・・カバー力最強のリキッドファンデ。長丁場の仕事のときや、多少厚塗りになってもいいからがっつり化粧を固めたいときはこっち。本当に強い。でも肌への負担が怖いので6:4くらいでパウダー優先。リキッドはスポンジで叩き込む派。

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左:チップコンシーラー(The Saem)・・・これを使い始めてから他のコンシーラーが全員2軍どころか3軍にまで落ちた。それくらい圧倒的に優秀。小鼻、クマ、口周り、顎のニキビ痕に使います。

右:ラ プードル オートニュアンス(エレガンス)・・・フェイスパウダーはみんな大好きプードル!!1番のセミマットのやつです。ふわっとした仕上がりになるので気分が上がる。最強。ただし思ってる3倍の速度で減るのでそこは覚悟してください。

 

  • 眉毛

実際に顔を作っていくときと大体同じ流れで書いていく。

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左上:アイブローペンシルN BR641(インテグレート)・・・描きやすいよ!ちょうどいい固さ。眉尻側2/3くらいを象ります。これが難しい作業。私は左眉が苦手。眉頭はかたどらないよ。

右下:デザイニングアイブロウ3D(KATE)・・・みんな持ってるやつ。一番明るい色と真ん中の色を混ぜてかたどったところ塗ります。眉毛って正解がわからない。そして一番明るい色で眉頭をぼかし描き、同じ色でノーズシャドウも入れる。ノーズシャドウは軟骨のあたりまで入れてる。

右上:カラーリング アイブロウパウダーBR2(ヴィセ リシェ)・・・他のポイントメイクや服との兼ね合いを見て、眉にカラーを入れる日だったらこいつを使う。

左下:3DアイブロウカラーBR2(KATE)・・・前使ってたアイブロウマスカラだと皮膚についちゃうこともあったのですが、これは使いやすいブラシの形で失敗がない助かる。結構色は薄めで、髪色とのマッチはもちろん眉毛の存在感をあまり出したくないのでちょうどいい。

 

  • ハイライト

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右:ハイライティングパウダー ピンクグロウ(BOBBI BROWN)・・・ラメ感が強くてつやっつやになる。鼻筋と目尻のCゾーンに使用。ハイライトブラシでシュシュシュッて磨くように乗せると綺麗に乗る。

左:クリームハイライター01(CANMAKE)・・・指を使って目頭にくの字に入れる。小回りが利くので細かいところはこっちがいい。

 

  • アイシャドウ

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ベースと、ブラウンゴールド系の1軍。

右下:アイシャドウベース(CANMAKE)・・・やっぱりアイシャドウベースは使ったほうがいいよ

左下:サンククルール イリディセント アイシャドウ 539(Dior)・・・なくならなすぎるアイシャドウ。友達から高校生のときにもらったものなのにまだある、不死身。自分ではピンク赤系ばかり集めてしまうので、イエローブラウン系代表として1軍に置いてる。あんま使わないけど(だからなくならない)、赤じゃダメだなって時にないと困る。

中:アルカミストツイストフォーアイ 08(THREE)・・・やる気のない日はこれ一本!目尻に多めに置いて、目尻→目頭へと指でぼかしていい感じのグラデーションを作る。会社の日、かつ時間がないorやる気がないときはこれだけでいい。垢抜けの大人色。上にラメをポンと乗せてもいい。

右上:シャドーカスタマイズ GD822(マジョリカマジョルカ)・・・しっとりゴールドなので大きく塗ってもうざくならず馴染む。ラメ感は結構ある。粉だけどセミマットな感じで粉落ちしない。

左上:オンブル プルミエール プードゥル 907(CHANEL)・・・今年のクリスマスホリデーコフレ。ラメ感が程よく上品で使い勝手がいい。ブロンズということで、ゴールドより落ち着いて馴染むかんじ。目尻にカーキを入れても合う。

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ピンク赤系とラメの1軍。

左上:カラーパフォーマンスアイズ04(RMK)・・・発色が優秀。いくつか持ってる中で一番良いボルドー。左のピンクをアイホールに入れて、真ん中のボルドーを二重幅に入れて、右のゴールドを薄く取って境目をぼかすように入れたりしてる。

右上:フェザリーニュアンスアイズ01(ルナソル)・・・柔らかいモーブピンクで悪目立ちしない。発色げきよわ。大人かよっていう色。肌の調子が良い日にナチュラルメイクで素顔綺麗感を出すために使いがち。

左下:シングルアイカラー021(Visse AVANT)・・・見たままの発色。目尻にポイントで使う。少量でしっかり色が出るのでうれしい。右上のフェザリーニュアンスアイズ01と合わせて使うことも多い。

右下:ジュエリーシャドウベール02(CANMAKE)・・・物足りないときに黒目上に乗せがち。最近はクリスマスが近づいてきたので全体に薄く乗せるのもあり。つけすぎちゃうと地獄ババア。

 

  • アイライナー

まつ毛エクステをしてるのでビューラーやマスカラは使わない。元々顔が濃くて目がハッキリしてるので、週の半分くらいはアイラインすら引かない。

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上:ラブライナーリキッド ダークブラウン(msh)・・・安定。目尻にスルッと引ける。

下:エグザジェレート ラスティングリキッドアイライナー 104(RIMMEL)・・・唯一持ってるカラーライナー。チェリーレッドの名前にぴったりの、華やかな赤というかんじ。さらっとしていて水彩っぽい色(伝われ)

 

  • チーク

チークの良し悪し、選び方がマジで分からんので適当。なんでもいい。

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左上:ピュアリー ベール チークPK-3C(ESPRIQUE)・・・かなり薄付きなので塗りすぎの危険が少なくて良い。

右上:グロウフルールチークス06(CANMAKE)・・・色が多いので雰囲気を変えられる。減らなすぎる。

右下:リップ&チーク ジェル06(CANMAKE)、左下:sweetの付録・・・ボルドーやレッドを使ったメイクが多いので頻用なんですが、いかんせんクリームチークが下手で塗りすぎてしまうのでこの色味でパウダーチークを買わなきゃな〜と思っている。減らなすぎる。

 

      • リップ

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左:ナリッシングリップバーム SQ(THREE)・・・家で使用。塗ったそばからスッと染み込んでいってしまうので逆に「え、塗れてる?」と不安になるほどのサラサラテクスチャー。リビングに置いていて、飲み食いすることを考えて塗るのやめる…などということが起きない(塗ったあとに飲み食いしてもサラサラなので嫌な感じがしない)という点でわたしの使用環境に合ってる。ありがとう。寝る前とメイク前もこれ。

右:薬用リップクリーム(DHC)・・・持ち運び用。保湿力があり、見た目にテカテカになりすぎることもなく、薬用リップの中では今のところベスト。会社のデスクで鏡も見ずにススッと塗っちゃう。

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右下:ルージュ ピュール クチュール 83(YSL)・・・一番気に入ってる口紅!最高!!ありがとう!!オレンジとブラウンの中間を持った赤リップって感じで最高のAWカラー。あと、食事をしても全然落ちないのがすごい。グラスに口紅がついてたりするので全く落ちてないわけではないんだろうけど、友人と食事してても食べ終わったときに「全然口紅落ちてないね!それすごい!どこの?!」って驚かれたことが何度もあるし、食後に自分で鏡を確認してみてもちゃんと発色してるのでやはりすごい。大オススメ。

左下:クレヨンマットリップ02(CANMAKE)・・・右下のYSLのルージュ83番と色が似ているのでリップペンシルのような役目でふちどりに使うことがある。もうちょっと固いと助かるとは思うけど、この色が好きすぎるので今のところ代用がない。

左上:アディクト リップグロウ 008(Dior)・・・去年の誕生日プレゼントで義姉からもらったもの。リップバームなので縦じわもキレイにしてくれるし塗り心地も良い。008は「ウルトラピンク」という名前なのですが、マジでウルトラピンクだわ、というピンク感100点の色。朝塗ったときはそんなに気にならないけど会社について鏡を見るとピンクがウルトラになってる。発色が鬼。塗り直しは必要。

中上:ヴォリュプテ ティントインバーム4(YSL)・・・リピ買いコスメ。ずっと使ってる。安心安全の4番打者。ティントインバームの通り、しっとり保湿と持続性の良いとこどりができて本当にすごい。4番はうっすら青みピンクなのですが、イエベのわたしでも馴染んでいてとっつきやすいピンクな気がします。

右上:コンフォートリップオイル09(クラランス)・・・今年のクリスマスホリデーコフレ。既存の03レッドベリーにラメが入った09レッドベリーグラムですが、使用感はほぼ同じ。変わらず荒れないしいい匂い。そして重たい。大きめのゴールドラメなので結構ラメがきらきら目立ちます。かわいい!しかし重たい…!

 

 

会社に行ったり友達と会うだけの日々に必要なコスメは以上だぜ!!日常メイクありがとう!!

早急にメンバーチェンジ及び補強が必要なのはチークだけで、あとは概ね満足している。冒頭に保険をかけるように『暫定版』などと言ったけれど、まあ、自分が満足してるなら『ベスト』と呼んであげてもいいかなぁ。………いや、でもまだもっと欲しいコスメはあるし改良を惜しみたくないから、この程度をベストになんてせずにやはり『暫定版』にしておこう。

人生にも仕事にもある程度で折り合いがつけられるのに、なぜかコスメにだけ発動するこの謎の向上心。この記事を読んだ全女性が共感してくれていることを望みます。幸あれ。

雑記「安井謙太郎くん27歳」

 安井謙太郎くんの誕生日。私の大好きなあの人にも生まれた日があって、しゃべれも歩けもしなかった日々があったと思うと不思議だ。安井くんがいつだったか「毎年誕生日のたびに『今年が人生で一番楽しかった』って言ってる」って言っていたのがとても印象的で、似たような語録で17歳を迎えた髙橋優斗くんへ「17歳が一番楽しいときって言われるかもしれないけど安心して。僕は17から今までずっと楽しいです」って言っていたのも記憶に強く残っている。毎年毎年、安井謙太郎人生史上一番最高に楽しい一年を更新し続けているんだって。それってちょっと、尋常じゃなくない?すごくない?実際そうなのかどうなのかは誰にもわからないけど、そう言葉にして胸を張るってことはきっと安井くんはそういう風に、毎年毎日レベルアップしてどんどん楽しさを倍増させて❝楽しい❞の方に向かって歩くように生きたいと思っているんだなと分かる。そういう価値観が安井くんらしい。ちゃんと楽しんで生きようとしている。投げやりになったり自分なんてと卑下することなく、ちゃんと楽しく・自分らしく・無駄にしないで人生を送ることに手間も努力も惜しまない。安井くんの「ちゃんとしてる」雰囲気ってこういうところからきているのかもしれないなと最近気づいた。投げやりにならない、自暴自棄にならない。自分自身の人生や状況にしっかり向き合って、充実に本気で、大きなことも小さなことも改善を怠らない。たとえばバスタオルの質にだってきっとこだわる人なんだと思う。どんなに些細なことでも、自分の機嫌や調子に関わるすべてをより良質にブラッシュアップし続けている。でもそれってもしかしたら、本当につらい局面で投げやりに❝なれない❞、自暴自棄に❝なれない❞苦しみも伴うのかもしれないね。もうどうにもできないよもう知らねーって全部手放して逃げてしまっていいようなときにも、心をすり減らして向き合ってしまうかもしれない。不器用で実はうまくやれないことも多い人だろうけど、好きなこと・楽しいことに真摯で真面目に生きているところが安井くんの魅力だなぁと思っているよ。

 

 頑張ってほしい。「頑張れ」って、その人を好きであればあるほど言いにくい言葉になってしまう。だって頑張りすぎてほしくない。疲れたら休んでほしいし、辛い思いしてほしくないし、傷付いてほしくない。でも私は安井謙太郎くんのファンだからうそでも「頑張れ」って言おうと決めている。頑張ってほしくなくても、傷付いてほしくなくても、安井くんが頑張りたいであろうときは精一杯自分に喝を入れて「頑張れ」って言葉にしている。Love-tune Live 2017で安井くんが「次にいつこんなチャンスがあるかわからないけど、俺たちは諦めないから」って言ったあの瞬間から私は安井くんの努力を最優先に応援したいと思っているんだ。安井くんがのんびり楽をしてそれなりにこなすことより、死に物狂いで息もできないような中でも努力して成功を掴むことの方を選んでいくなら、私もそっちの意志で応援しようと覚悟を決めた。だから頑張ってほしい。負けないでほしい。逃げないでほしい。安井くんに向けて投げかけられる悪意から安井くんを守れないことが悔しくて情けなくてならない。悔しくて悲しくてたくさん泣いた。本当は矢面になんて立たないでほしい。誰か他のメンバーがリーダーをやって大事な挨拶やグループの顔を担ってくれたらいいのにと思ったりもする。でもそんなの安井くんの思い描く未来とは違くて、安井くんが乗り越えて掴んでいきたい理想ではないんだろうなって分かっていて、だから堪える。「頑張れ」「負けるな」「勝ち上がれ」って、かすり傷なんて気にもとめずにもっともっと大きな目標への道を応援していたい。

 

 上がって下がって頭が追い付かないほど色んなことが起こったジェットコースターイヤーの26歳が過ぎ去り、27歳の安井くんが今度は何を見せてくれるのか、本当に本当にワクワクしている。正直安井くんが幸せだったらなんでもいい…という本音もあるのだけど、色々言う人がいる現状でバチコーン大成功を収めて「どうだ!見たか!結果が全てじゃ!」ってすべての悪意を一蹴してくれたらわたしきっと大爆笑してこのひとまじ最高だなって泣くと思う。そんな夢も見たりする。来年の今頃の安井くんがどうか「27歳の年が今までの人生で一番楽しかった!」と笑っていられるように、できること全部全部したい。神頼みもするよ。どうか神様、安井くんが幸せでありますように。よろしくお願いします。

Love-tune Live 2017-運命なんかじゃない

 早いものでZepp Diverityで行われたLove-tune Live 2017からもう10日以上経ってしまった。一分一秒ごとに、あの興奮が過去になって記憶が薄れていってしまうのがとてつもなく悔しい。それくらい私にとって、そしてきっとLove-tuneにとっても大きな山となったライブだったんじゃないかなぁと思っている。なんか本当に色々とすごかったから、書き残したいことの3割も書けないだろうなって諦めながら書き始めている。

 

 正直始まる前は今更「ファーストライブ」っていうのがピンとこなかった。ジャニーズJr.のイベントの中で「単独公演」は何度も行ってきたし、演出や魅せ方を自分たちで作るっていうのも経験してきている。実質のところは既に体験しているけど名前としての「ファーストライブ」をもらえたのだと、そう解釈していた。でも幕が開いて、3日間3公演をやって、すごく分かった。あぁこれがLove-tuneにとってのファーストライブだったんだ。説明が難しいけれど、彼らの放つ空気がそうだった。きっとワクワクも緊張もプレッシャーももっと他の感覚も持ちきれないくらい抱えてステージに立っていたんだろうと今になって考えられる。いつもと同じじゃ立てないステージだったんだろうなって。

 

 Love-tuneって、すごく主観で無責任なことを言うけれど、ずっと何かに追われているグループだなぁと感じている。同世代がどんどんユニット化してそれまでの総無所時代から一変ユニット戦国時代に突入したときに、慌てて集まったようなグループの結成だった。この波に呑まれて埋もれてしまわないように、置いていかれないように、焦って慌ててとりあえずひとつに固まった。そこにエモい運命なんてなくって、奇跡なんかじゃなくって、ただ「消えたくない」「売れたい」から手を組んだ、すごく現実的で意図のある誕生だった。そこから、既に明確な個性を持っている他のグループに引き離されないために、猛烈なスピードでがむしゃらに走り続けてきた。彼らはいつも焦っているように見えたし(実際結成したての頃は「その意図は?!」から見るように、無駄のない議論・無駄のないリハーサルを重視していた気がする)、かなりのハイスピードでここまでグループの個性や価値観、ひいてはLove-tuneそのものを作り上げてきている。その様子を見ているとスタートの遅さやグループとしてのバックグラウンドのなさをハンデに感じているのは、他でもないメンバーたちなのかなと思ったり。そしてやはり彼らにはどうしたって振り払えないいくつかの“呪い”が張り付いている。(“呪い”っていう表現を使っていたブログさんを見てしっくりきたんだけど今すぐに見つけられないので見つけ次第リンクを張ります)影のようについて回るし、表裏一体、ずっと言われ続ける。故に風当たりは厳しくて、賛否両論、なかなかハードなお言葉も飛んでくる。中途半端で実力がないって言われやすいし批判も受けやすい。単純に嫌いだってはっきり言われることまである。そんな状況に「立ち止まったら呑み込まれる」って、ファンでも怖ろしく感じてるんだから本人たちがビビらないわけがない。足を止めたら“呪い”に食われる。前進しないと振り切れない。彼らはずっと、ギリギリのところを走り続けている。

 だからなのかな、Love-tuneがやったファーストライブって意外なほどに力強かった。私が勝手にイメージする今のJr.ユニットが行うファーストライブってもっとエモくて、切なくて輝いて、達成感があって、「今まで、ここまで、やってきた」というファンへの感謝と発表の場で。今のJr.ユニットは経験が多いしファンもそれを共有しているから、そんなファーストライブを想像する。でもLove-tuneのファーストライブは、とにかく力強く破裂するように勢いよく駆け抜けていったのだ。驚いた。ふわふわ幸せ~な感じじゃない。セトリは今までLove-tuneがやってきた楽曲が中心で並びだけ見るとエモそうなんだけど、これがそんなにそこまでエモくない。甘くて優しい過去を持たないLove-tuneらしい、「今この瞬間がベスト」で「未来はもっとベスト」なポジティブで疾走感があって前傾姿勢なライブだった。

 多分あのライブに入った全員に刺さったであろうパフォーマンスは、最高の盛り上がりにぶち当ててきた『象』(関ジャニ∞)だったと思う。世界観があったりアイドルを魅せてくれる楽曲があるのに対し、『象』はある種メタ的でアイドルの「中の人」が見える類のパフォーマンスだった。アイドルを脱ぎ捨てた彼らが魂を剥き出しにして、それを削ってステージに立っているんだって、そういう感じがした。疾走感と同時に彼らが立ち向かっている逆風まで見えるようなあの数分間。大声で歌ってエネルギーを全て放出しないとあの場に立っていることすらできないんだろうなって思った。大袈裟になってしまうけど、人生賭けてアイドルやって、命懸けでステージに立っているんだって、そういう気迫が本当にあったんだ。安井くんが最終日の挨拶で口にした「絶対に諦めない」という言葉もすごく人間らしくて、いつも一枚「アイドル」を着ているような彼らしくない泥臭さがとっても胸に刺さった。Love-tuneは常に戦って、焦って、悔しくて、負けられなくて、怖くても走り続けているんだなって、彼らが決めた「Love-tune」という茨の道を走り抜ける覚悟を強く強く感じるパフォーマンスだった。

 最新オリジナル曲『This is Love Song』で幕を下ろす本編。エモい挨拶からのエモい楽曲で涙を誘うんだけど、二番に入った途端急にアレンジが変わってエモさを吹き飛ばすキラキラなアイドルソングになるところがとってもLove-tuneらしくて好きだった。楽しいことが好きでしょ?明るい方がいいでしょ?アイドルだからキラキラが似合うでしょ?俺たちは泣いたりなんかしない、努力なんてしない、ファンのみんながいて楽しくて幸せでいつも笑っていられるよって、そういうLove-tuneらしさ。私は『象』を歌った彼らの本気も覚悟も傷も痛みもちゃんと見つめた上で、『This is Love Song』を歌うアイドルな彼らを全力で「かわいくってかっこよくってキラキラで最高!」って言いたい。Love-tuneが誇っているそういうアイドルとしてのプライドを何よりも尊重したいと思うのだ。

 

 Love-tuneってやっぱりビジネスライクな構造で、極論お互いを嫌いでもやり続けられるユニットで。だって運命が引き寄せた7人じゃないから。その代わりみんなが同じ方を向いているというのがすごく必要なユニットでもあると思っている。同じ熱量で同じビジョンを持って同じ方向に走る。その「みんな」の中に多少なりともファンが存在していることを、体感として得られたファーストライブだった。それってすごいことだ。「俺たちとみんなで~?」なんて言葉はほぼノリみたいなもんで鵜呑みにするほど純粋じゃないけど、今Love-tuneのファンをしている人、Zeppであのライブを味わった人には「俺たちとみんなでLove-tune」がどうしたってハマってしまうんじゃないだろうか。結成一年半、グループカラーができていく中でファンの風土や文化も生まれてきて、私はそれをすごく気に入っている。ステージ上も客席もみんなが前のめりに盛り上げていくスタイル、一曲目一音目からフルスロットル全力で楽しみにきている。エネルギッシュでポジティブな雰囲気がまさに担タレですごくいいなぁ、よかったなぁと思うんだ。話が逸れたけど、メンバーがみんな同じ未来に向かって全力疾走してないとバランスが崩れてしまうユニットなのだ。一人でも手を抜いたらその瞬間に機能しなくなるような危うさを持っていて、だから全員が必死にやってる。色んなものに追い立てられて、とにかく前進しないと息ができないから走ってる。運命も奇跡もないから、努力と本気をひたすらにぶつけ合うしかない。そんな彼らの熱量と覚悟に魂を揺さぶられたライブだった。めちゃくちゃ楽しかった。感情を全部だして盛り上がれる最高のライブだった。私はLove-tuneのライブがきちんと評価されてほしいと心から願っている。

 

あー!やっぱり全くまとまらなかったし言いたいことの1割も言えなかった!!なんか脳みそを垂れ流すみたいに書いてしまった!クソみたいなブログ書いた!深夜テンションクソ!!もっとエモエモしく壮大に書けばよかった!でもエモいお涙頂戴なんてLove-tuneらしくない!!未来しか見てない!!はーたのしかった!最高だった!!一生忘れたくない!!Love-tuneを銀河一幸せにしたい!!!!寝る!!!!!

阿部顕嵐くんの魅力の理由が知りたい

 謎。すっごく謎。阿部顕嵐くんって果たして一体なんなんだろう。彼の放つ独特の魅力を私のなけなしの語彙力では形容できなくていつも歯がゆい。阿部顕嵐くんって、なんなんだろう。周りに顕嵐くん担の友人もいなくて誰にも聞くことができないし、いつも一人で顕嵐くんの魅力にモヤモヤしてる。こんな正体のわからないかっこよさってあるのかな。こんなのを許して迎え入れてしまっていいのかな。ある程度年を重ねた女性が処女を捨てる前にめっちゃ不安になるみたいに、未知の輝きに対して両手ひろげて丸腰で飛び込めないババアになってしまった。

 

 まず潰せる可能性は「顔」。私は顕嵐くんのお顔があんまり好みではない。Love-tuneを組むまでは「彼の顔が華やかなのは解るけど、好みの分かれる顔だよね?アクが強いっていうか。わたしは好きじゃないかな…」と言っていた。それがあれよあれよと自担と同じグループになり自ずと目にする機会が増えて、見慣れる効力ってすごい、今じゃ「うん!今日もあらんちゃんイケメン!かわいい!」とか言う。けどそれは愛着であって好みとはまた違うとハッキリ線引きしてる冷静なわたし。

 歌?ダンス?でも彼って特別パフォーマンスを得意としているメンバーではないでしょう。その点ではもっとずっと特化して惹き付けてくれる子がいる。よくメンバーやジャニーズJr.の仲間は顕嵐くんの良さに優しさを挙げる。でもそれが明確に分かるほど私は顕嵐くんのトークを聞いたり、素で(ドラマなどでなく)動いてる姿を見たこともない。

 以前Love-tune紹介ブログ*1で各メンバーについて書いたとき、顕嵐くんだけどうしても時間がかかって文字数を稼ぐのに苦労した。そのときに私が着地させたゴールは「スター性」であった。よくメンバーが言う、「顕嵐は本番で決めてくる」というエピソードがとても顕嵐くんに似合っていて格好いい。そういう性質は私の中では金髪の顕嵐くんが担っている。人前で練習しない。本番に決めてくる。いつも寝てる。疾走感や全能感を表現することができるひと。そして先にも挙げた優しさの面は、私の中では今度は黒髪の顕嵐くんが担う。彼の優しさは能動的なものじゃなくてもっと受け容れる、許容的な優しさなイメージ。ああ、やっぱりイメージの話になってしまって明確な正体に近づけてないけど。自分以外のいろんなことを許している。まあるくて、おおきくて、あたたかく居る。他者の弱さに優しい。優しさは優しさでも彼の持っているのはそういう類の優しさだなあってなんとなく感じさせられる。

 

 不思議な人だ。私は顕嵐くんに全く毛色の違うふたつの人間性を感じていて、どちらもを素敵だって思っている。じゃあ一言で顕嵐くんの魅力をって言われるととても困ってしまう。彼のどこを掴んだらそれが本質なんだろう。彼の全体のうち何%を見れているのだろう。これで裏ではめちゃくちゃ性格悪いとか言われても全然驚かない、それくらい裏も表も上も下も奥行きだってありそうな、顕嵐くんの全体像が不明なのだ。

ただ現時点で今私が感じる顕嵐くんの魅力を無理やり一言にまとめるとすれば

デブブスきもいって言っても許されるような神に愛された人種なのにデブにもブスにも人間の尊厳を認めてきちんと向き合ってくれそうな人

です。めっちゃ個人的な劣等感出た・・・

KING'S TREASURE〜Love-tune2017夏

 2017年夏、EXシアター六本木でジャニーズJr.のライブ公演が開催された。ここ数年でお馴染みとなった夏の風物詩である。今年はジャニーズJr.内ユニットMr.King・HiHiJET・東京B少年、Prince、SixTONESLove-tune、Snow Man、Travis Japanが単独公演と合同公演のどちらもを行う形で執り行われ、昨今のユニット戦国時代を感じさせてくれた。

 

 Love-tuneが以前から楽曲や活動ごとにコンセプトだったり意図・狙いをしっかりと定めて臨むグループであることは知られていた。今回も公演前からラジオなどで「フェスっぽいライブにする」と宣言があり、まさにその通りの公演になった。「魅せるクリエ」に続き「フェスのEX」といったところか。Love-tuneの、なんとなくでライブを決めない、惰性で楽曲をやらない、ひとつひとつにこだわる、というその姿勢から無駄なパフォーマンスが生まれるはずがないので、私は彼らを心底信頼している。

 今回のコンセプト/フェスのために取られたもののうち、やはりまずは楽曲選曲。バラードや魅せる曲・かわいいアイドルソングは少なく、むしろノリの良い跳ねるような勢いのある曲が続いた。単独公演後にオンエアされたザ少年倶楽部での「Black&White」がファンによって大絶賛され、何故これをライブでやらなかったんだとまで言われたけれど、その反面「これだけのパフォーマンスができるにも関わらずあえてこの楽曲をライブでは切ってきた」ということにLove-tuneへの信頼を強める声もあった。ライブコンセプトの軸を守り、どんなに良い物でも自分たちの意図と離れてしまう場合は選ばれない。ライブ製作のためのプロセスがしっかりと固められているんだなあと思う。

次に演出では、特に『Revolution』においてファンと一緒にタオルを振り回す文化を取り入れキントレタオルを売り切れにさせたことが話題になった。他のJr.はなかなかこの演出を採っていないので新鮮であり、フェスを謳うLove-tuneのライブならではのものとなった。もう一つ、『NO WAY OUT』ではジャニオタの必需品・ペンライトを手放させる技を使った。両手を挙げて拍手をしたり、Love-tuneポーズを掲げて音楽にのって「フゥーッ!!」と叫ぶ客席。ジャニーズJr,のライブとしては異様であっただろう。あの瞬間だけは彼らのバンドとしての自意識が爆発していた気がする。所謂、イメージするバンドとライブハウスの盛り上がり方にこちらも高ぶった。いま、わたしたちはなんだかものすごく盛り上がっている、身体全体ではちゃめちゃに盛り上がっている、と。アンコールの『I Scream Night』で全員でジャンプをしたのも似た感覚だった。楽しいから、好きだから、感情が高ぶっているから、楽しみたいから、この瞬間が最高だから、私達はジャンプをしたし、それによって生まれたあの一体感に感動もした。端から見たら滑稽なほど計算高くてバンドとしても未熟な彼らに白けた見方ができるとしても*1、あの瞬間あの場にいた私達にはそんなことどうでも良かった。去年の夏のEXシアター公演を終えたときには「Love-tuneはアツくてエネルギッシュなところが一番の強み」と思ったが、一年経ち、そのエネルギーを観客からも引き出すようなライブをしていた。Love-tuneは観客に、ただ楽しいという気持ちを解放させるのが上手いグループになっている。

 Love-tuneの今回のライブが成功した要因のひとつにはファンのノリがあるとも思っている。他のJr.ユニットと比べて特別Love-tuneファンだけがノリが良いはずがないのだが、何故こんなにファンの側から湧き上がるエネルギーを感じたのかと考えると、今のLove-tuneには未来しかないからではないかというところに達した。結成約1年半。まだたった1年半。泣けるエモい過去はないので今から加わるファンが引け目を感じない。代わりに約束された未来(単独ライブ)が決まっているので全員が同じところを向いて楽しみにしていられる。浮かれてはしゃげる。Love-tuneのライブの客席は空気感が浮かれていた。だから声を出すのも躊躇わないし前のめりにノっていける。これから先、単独ライブが終わって本格的に色々な困難にぶつかって楽しいだけじゃないこともあるだろうし各個人のファンによって抱える思いが違ってきてしまうような状況になったときに、今のような客席は作れないだろうと寂しく想像する。と同時に、いつどんな状況でどの会場でもそれを作れるグループになっていってくれたらすごいなぁ。難しいだろうなぁ。

 

 もう一つ、気付いたことがあったので書き残しておきたい。クリエに引き続き披露してくれた『Make it』は真田くん作詞/萩谷くん作曲のオリジナル曲である。それを聴いた私の素直な意見はこちら。 

 演奏は文化祭レベルで、曲自体もやはり売り物として世に出されている先輩達の楽曲には遠く及ばないことが素人にだって聴いて分かった。このツイートにも「同じことを思ってる人がいてよかった」「わかる、文化祭の体育館だった」と反応をいくらか頂いたので少なくとも複数人がそう感じたということ。ということはつまり、楽曲の大元だけでなく編曲も演奏も歌唱もプロが一切手を加えていない、純度100%、あれが今のLove-tune7人のすべてであるということでもある。今後もどのライブでも欠かさず歌い続けて欲しい。「今のLove-tune」をファンの目の前で更新し続けていって欲しいと願う。そして本題、気付いたことというのは歌詞のこと。真田くんは「ファンのみんなのことを思って書いた」と言うのだが、歌詞の雰囲気が全くもってよくあるそれではないのがずっと謎だった。「ありがとう」とか「愛してる」とか一切出てこない。むしろAメロでは道を失って光すらないらしい。Bメロで同じ志の仲間がいることに気付いて、そしてサビでキラキラしたステージに仲間と共に立っているイメージの言葉が並んでいる。・・・ファンどこ!!!!!いやもちろんいい曲だけど「ファンを思って書いた」には当てはまらないんじゃ?と思っていた人も絶対多かった。そういう声めっちゃ見た。私もかなりの違和感を抱いていたし。別に誰もファン宛ソングを作れなんて言ってないんだから無理してファンのみんなを思って・・・とか言わなくていいのになって。けど不意に。不意に、サビの一番最後に大きくぱっと叫ぶように全員で歌う「We can make it a whole new world」の存在が気になって意味を調べてみた。make itにはいろんな意味があるけど今回は「うまくいく」「やり遂げる」「実現する」が最もしっくりくるかな。 a whole new worldは「まるっきり新しい世界」となる。前後の歌詞のニュアンスを汲んで訳すとしたら、『Make it』のサビの最後、7人が力を込めて大きく歌う詞は「俺たちなら今まで見た事のない新しい世界にだって行けるだろ」となるのである。ああ、なるほど。なるほどそういうことか。私は真田くんがどうしてこの曲を「ファンのみんなを思って書いた」と言うのか理由が分かった。真田くんの言う「俺たち」は私達なのだ。真田くんがファンに向けて伝えたい一番の思いは「ありがとう」でも「愛してる」でもなく「一緒に新しい世界まで行こうな!俺たちなら行けるよな!やってやろうぜ!」っていう仲間へのアツいメッセージなんだ。そのことが私は猛烈に強烈に嬉しくて、『Make it』が好きな曲ランキングの上位に急上昇してきたのは言うまでもない。

 

 ライブの上手さが発揮されてとにかくLove-tuneの勢いを感じる夏だった。勢いがあるっていうのはすごくワクワクして楽しくて同じ船に乗る人も増えていくのを肌で感じて無敵感がある、その反面に急激に母数や熱意が増えたことにより統一されない意識や蔑ろにされる従来の常識という壁にもぶつかっている。乗り越えなければ。好きなだけLove-tuneはとにかく楽しい、と叫んでいられるように、愛する彼らに「俺たち」と認め続けてもらえるように、私たちファンも改めて自分たちを顧みなければならない。勢いだけの波に乗っていたら落とし穴に落ちかねない。手放しの楽しさと、そんな自分自身への警告を強めた夏だった。いま、波に乗りかけている、と感じながら過ごす夏は二度と味わえない刹那的なエネルギーに溢れていて忘れられないものになるだろう。最高の夏の思い出をありがとう、Love-tune。最高の未来を楽しみにしてるよ!!

 

*1:よくLove-tuneを好かない理由として挙げられがち

舞台「三婆」千秋楽を終えて

安井謙太郎くんが出演した舞台『三婆』が、11月27日をもって約一ヵ月の公演に幕を閉じた。

 

ジャニヲタや、もしかしたらタレント本人たちも使っている言い回しかもしれないが、ジャニーズ事務所がプロデュースしていない舞台のことを「外部舞台」と呼ぶ習慣がある。聞き慣れるまでは違和感があるけれど特に勘ぐるような意味合いはなく、事務所制作の舞台と区別するための便宜的な呼称である。今回の『三婆』はその「外部舞台」に当てはまった。ジャニーズJr.が外部舞台に出演するのは非常に珍しいこと。俳優コースとして知られる高田翔くんが別格だったり外部で主演舞台を複数回行った真田佑馬くんや『エリザベート』に二年連続で抜擢された京本大我くんがいたりと近年増えてきているとは言えども、やはり数少ない大きな機会だ。その上今回は出演者が実力派として名高い大御所の方ばかりときた。安井くんの『三婆』出演決定はジャニーズJr.ファンを大いにざわつかせた。

しかもオーディションではなくお声がけを頂いたとのことで、「松竹さんも思い切ったことしたなと(笑)」なんて大抜擢に驚いていた安井くん。しかし正直にファンの目線から言わせてもらうならこの言葉は謙遜でもなんでもなかった。そうだよねそう思うよって共感しちゃう。だって、ちょっと、荷が重すぎる。共演者さんが豪華すぎる。役柄が大きすぎる。突然のジャンプアップすぎる。安井くんは器用な人だしコミュ力もあって順応性もあると思うけど、でも失敗の許されない外部舞台でいきなりこんな大きな責任を担うなんて可哀想だと思ってしまっていた。応えられない期待ならされない方がマシんじゃないかと。最近やっと軌道に乗り始めた彼が、ビビって縮こまって自分にガッカリして自信を失ってしまうかもしれないことが恐ろしかった。

そんな気持ちの中で読んだ安井くんの雑誌のインタビューがとても印象的だった。取材は稽古に入る前の段階だと思われる。

素直に「わからないので教えてください」と甘えていこうかなと思っています。取り繕ってもしょうがないし、取り繕ったところでどうにかできる相手じゃない(笑)。置いていかれないように必死にやって、稽古が始まる10月頭と初日を迎える11月とでは別人になっていたいですね(「STAGE navi vol.10」産経新聞出版

私は安井謙太郎くんのことをナメていたなと苦笑しながら反省したものだ。彼はもっと、もっとシビアな感覚でいる。自分の実力が周りの共演者さんの足元にも及ばないことを当然に受け入れて、折れて失うような自信なんて始めから持たずに稽古場へと向かうんだそうだ。曲がりなりにも芸能人として約9年過ごしてきて自身の活動範囲の中ではそれなりの実力も存在も確立している状況でなお、無知無力を認めてイチからやり直す覚悟を早々に決めていた。まあ出演者や舞台そのものの大きさを考えるとそりゃそうだって言えるんだけど、でもこの意識に辿り着く=スタートラインに立つのって、意外と一つ目のハードルだったんじゃないのかなぁ。「自分は何も出来ないから、教えて頂いて必死に勉強する」。とてもシビアだけどきちんとポジティブなこの意識を、頼もしいと思った。

 

『三婆』の幕が上がって、驚いたことがいくつもある。もちろん「リーゼントかよ!」「キスシーンかよ!!」「子持ちかよ!!!」もそうだけど、まずは新橋演舞場を満員にするその客層が新鮮だった。劇中の❝三婆❞と同世代であろうおばあさま、おじいさまばかりだったのだ、本当に!初めて観劇に行った日は客席を見まわして「安井くん、どアウェイ・・・!」と何故か私がビビッてしまった。この客層の違いはただ年齢だけの話には収まらなくて、お芝居に対するリアクションの違いが最たる部分だと感じた。24歳の私が切なさに胸を締め付けられホロリとするシーンで、しかし劇場は大爆笑に包まれるのだ。何が起きているのかと思った。いや感じ方に個人差があるのは分かるけど差ありすぎだろって!!実に困惑した。私も三婆と同世代になったらあの物悲しい老後を笑い飛ばせるのかしら。そして、安井くんはこのお客さんたちの「笑い」をどのくらい分かっているのだろうと考えた。稽古場ではこの笑いは想定できていたのだろうか。お客さんと同じ感性で演じているのか、それとも同世代の私たちと同じ自然な感覚でそこにいるのだろうか。いつもと違う環境に飛び込んだ故の発見というものを(きっと安井くん本人には他にもたくさんあるのだろうけれど)私たちファンもひとつ体感できた部分だった。

私が 安井くんを「こんなにいい役者さんだったのか」と一番びっくりしたのは、そんな彼の存在感の無さだった。と、あえて悪く聞こえる言い方をしてみたけれど、これが裏返しでとても良かったのだ。あの共演者の並びで、経験も実力も本業も年齢だってスペックのすべてが安井くんと安井くん以外の方を隔てていたような中で、安井くん一人が浮いてしまって目に付くということがなかった。観劇前は、一人だけついていけてない、一人だけ明らかにへたくそが混じってる、と、なまじ周りがハイレベルなだけに目立ってしまうんじゃないかとどぎまぎ心配していたのだけど、本当に取り越し苦労で余計なお世話であった。安井くん演じる辰夫は『三婆』の世界にしれっと馴染んで、誰にも存在を疑問視されることなく、ごく自然に最後までそこにいたのだ。ナメててごめんね安井くん。カーテンコールで大竹しのぶさん、渡辺えりさん、キムラ緑子さん、段田安則さん、福田彩乃さんと横一列に並んで安井くんが立っていることを恥ずかしいと思わなかった。不思議だとか信じられないとかは思ったけど、その場所に立つための役目は果たしていたように思う。お稽古を一生懸命必死に頑張って、いっぱいいっぱい悩んで考えた跡が見えるようだった。

 

雑誌やラジオでの発言から、そして共演者の方のブログなんかにも名前を出して頂いていたりして、周囲の方に可愛がっていただいているんだなと分かった。お芝居自体の勉強に加えてこれも努力のうちの一つだろう。ただ演技の実力だけじゃなくて、教えていただいたり助けていただける・そして何より現場を楽しめる人間関係を作り上げる上手さが安井くんらしくてすごくいいなと思う。舞台の上でのお芝居は絶対的な俳優としての価値だけど、でも「カンパニーにとって必要な人間かどうか」という点で安井くんはすごくいい仕事をしていたんじゃないかと私は想像している。たとえば稽古場の雰囲気を和らげてくれる存在だとか、たとえば共演者同士を繋いでくれるムードメーカーだとか、そういうのってお芝居にも匹敵するくらいすごくすごく大切なんじゃないかなって。想像でしかないけれど、人間力と呼べる部分で安井くんが『三婆』に貢献したものもあったのではと期待してしまう。もちろん彼自身にとって、あの素晴らしい環境で過ごした稽古含め約二ヵ月間でたくさんの収穫があったことは間違いないだろう。

 

今回の『三婆』という経験を越えて、安井くんはどう変わったんだろう。目に見える変化は少ないかもしれないけれど、少なくとも「外部舞台であんなに大きな役を一か月間演じきった」という実体験を手に入れたのは明らかだ。新橋演舞場の舞台に立って大俳優たちと芝居をしたことがある、自分のファンじゃない人たちから大きな拍手をもらったことがある、ジャニーズからたった一人きりで一ヵ月間舞台に挑んだことがある。その経験の差だけでも大きな違いになるのではないだろうか。そしてたくさんの技術も気概も流儀も、きっと学べる限り学び、盗める限り盗んだことだろう。「たくさん吸収してLove-tuneに持ち帰る」と宣言して臨んだこの素晴らしい舞台で、彼が何を得て、そして何をLove-tuneに還元してくれるのか、今後が楽しみで仕方がない。 

安井くんについてまとめようと思ったので『三婆』そのものについての感想は割愛したが、本当に素晴らしく面白い舞台だった。何度見ても飽きることのないお芝居。愛嬌があって少しさびしくて、ひとつの作品そのものを「愛おしい」と思ったのは初めてだった。こんなに素敵な作品と出会わせてくれた安井くんに感謝しているし、こんなに素敵な作品の一端を担っていた安井くんを誇りに思う。本当に本当にお疲れさまでした。感動をありがとう!!